閃亜鉛鉱(Sphalerite)

硫化鉱物

閃亜鉛鉱の結晶:方解石の釘頭状結晶を伴った閃亜鉛鉱の双晶(岐阜県山県市相戸鉱山)

粒状の結晶:石英中に閃亜鉛鉱の粒状結晶が含まれる銀色の部分は硫砒鉄鉱や方鉛鉱(長野県飯田市池口鉱山)

含カドミウム閃亜鉛鉱:カドミウムにより赤みが掛かっている。(岐阜県関市洞戸)

基本情報

硬度:4.0
比重:4.1
組成:ZnS
劈開:4方向に完全
色:鉄を多く含むと黒くなる
結晶系:等軸晶系
共生鉱物:方鉛鉱、黄銅鉱、黄鉄鉱等

特徴

亜鉛の主要鉱石で、マンガン/ゲルマニウム/カドミウム/銀等を不純物として含むことがある。通常、鉄を多く含んでおり黒い外観の閃亜鉛鉱、いわゆる鉄閃亜鉛鉱となる。ZnSは高い屈折率(2.4前後)を持つが硬度が低いので宝飾品としては使われない。外観例で示した池口鉱山産の閃亜鉛鉱では、鉄Feを13.5wt%含む。

  元素  含有量(wt%)
  亜鉛Zn 54.3
  硫黄S  29.2
  鉄Fe 13.5
池口鉱山産の閃亜鉛鉱の組成比

産地/産状

熱水鉱脈鉱床、スカルン鉱床、黒鉱鉱床などに広く分布する。結晶は斜方十二面体やその他の結晶をなすが、塊状/粒状/微細緻密状などの様々な状態で産出する。

用途

亜鉛の主要鉱石であるが、精錬時の副産物としてゲルマニウムやカドミウム、ガリウム等を回収している。亜鉛としてはメッキ材料や金属合金の原料として広く利用されるほか、酸化亜鉛はミネラルファンデーションなどに使われる。酸化亜鉛は光触媒材料としても注目を集めている。

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