
蛇紋岩中の輝銅鉱:蛇紋岩中に銀色の輝銅鉱を含む(愛知県新城市中宇利鉱山)
基本情報
- 硬度:2.5-3
- 比重:5.8
- 組成:Cu₂S
- 色:鉛灰色
- 劈開:(110)で不明瞭
- 結晶系:単斜晶系
- 共生鉱物:方輝銅鉱、デュルレ鉱、斑銅鉱
特徴
鉛灰色の塊状で得られることが多い。銅Cuと硫黄Sの割合で、方輝銅鉱(Cu₉S₅)やデュルレ鉱(Cu₃₁S₁₆)になる。外観では色味が参考になるが判断をする事は難しく、本標本も方輝銅鉱やデュレル鉱を含むと考えられる。
産地/産状
黄銅鉱等の銅鉱を二次的変性により生成される二次硫化銅鉱で、黄銅鉱の仮晶として結晶が得られることもあるが、基本的には結晶が得られることは稀で、塊状での産出が多い。
用途
銅の鉱石として利用される。黄銅鉱に比べて品位が高く、質量中の銅の含有量が80%にも達する。また、硫黄を含むだけの単純な組成のため精錬も容易である。その為、黄銅鉱や斑銅鉱より経済性の高い銅資源である。