
スカルン中の磁硫鉄鉱:灰鉄輝石や水晶の隙間を埋めるように磁硫鉄鉱が見られる(岐阜県関市柿野鉱山)

含ニッケル磁硫鉄鉱:不純物としてニッケルを含む。(長野県飯田市天竜鉱山)
基本情報
- 硬度:4.0
- 比重:4.7
- 組成:Fe₁₋ⅹS
- 色:銀色、ブロンズ色
- 劈開:なし
- 結晶系:単斜晶系、六方晶系
- 共生鉱物:黄鉄鉱、閃亜鉛鉱、磁鉄鉱など
特徴
常磁性を持ち磁石などに吸い寄せられる。新鮮なうちは鮮やかなブロンズ色であるが、錆びやすく茶褐色になるので茶硫と呼ばれる。
産地/産状
結晶で産出することは少なく塊状で産出することが多い。黄鉄鉱が高温にさらされると磁硫鉄鉱に変化する。黄鉄鉱と共生する物は単斜磁硫鉄鉱(Fe₇S₈)であることが多い。銅やニッケルを含む磁硫鉄鉱を特に含銅磁硫鉄鉱や含ニッケル磁硫鉄鉱と呼ぶ。
用途
硫酸原料や製鉄原料として利用される。